2/24くもり、地獄みたいな

中学校の同級生で、口癖が「最悪〜」の子がいた。それをたしなめるために、ある子が「最悪って一番悪いことだから、一回しか使えないよ」と言っていたことを覚えている。確かに〜!

 

私自身、0ー100思考とか白黒思考とか、グラデーションがない考え方をしがちである。気をつけるようにしてみると、極端な表現ではない、ほどほどな程度を表す言葉がぱっと思いつかない。いや、そもそも知らないのか。

先日も、てかてかにすべる道を歩きながら地獄みたいな道だと思ったし、やたら混んでいるマックのことも地獄みたいだと感じた。その辺にごろごろ地獄があってたまるか、しかし地獄であった。

 

マクドナルドのホットチョコレートを飲んでみたくなり、勇んで出かける準備をし始めたのはおやつ時間の少し前。着く頃にはちょうど3時になるだろうと見込んで、外に出る。日差しはあるが風が冷たくて、耳が取れそうだ。

ここ数日、最高気温がプラスになる日が続いて、春が近づいているなと思ったらまた真冬日がきた。花屋さんには桜の枝やチューリップが並んでいるというのに、実際の春はまだ遠い。

その寒暖差のせいで、先週歩いた時には適度にとけていた雪道が再び凍り、目の前で日差しを反射しながらぴかぴか輝いていた。すべりそうだと思いながら歩いていたらやっぱりすべる。足を慎重に運びながら、まだ目的地に着いていないのに帰りの心配をし始めた。往路を耐えてもまた復路がある、ただの地獄。

 

そろそろ歩いていると目的地が見えてきた、が、飲食スペースには何やらたくさん人がいる。3時だし感染症流行ってるしで、店内で食べていく人なんてあまりいないだろうと見込んでいたが大はずれだ。もともと広くない店内に、ぎゅうぎゅうに人がつまっていて、みんなおいしそうにハンバーガーやらポテトやら食べている。

注文カウンターは並んでいないのが、今日に限っては嬉しくない。ホットチョレートがあるのかないのかメニュー表で確認できないではないか。そんなの、店員に直接聞けばいいと思われるかもしれないが、世の中にはそういうことができない人間もいるのだ。

スーパーでめあての商品が見つけられず、同じところをぐるぐる回り続けるしかない人間。けれど同時に、その人はコーヒー豆を買うときにはずらずら好みを述べられる人間でもある。合理性とか論理的とか、そういう言葉だけで人間の内面をおしはかることはできない。

結局、あることが確実なホットアップルパイとカフェオレを注文した。少し休んで、またあの地獄みたいな道を帰ろう。

混んでる店内を見て、地獄みたいだと思った。人混みをなるだけ避ける生活を送り、人混みに対する免疫が0に等しくなった今、人混み=地獄になっている。日曜日昼間のスーパーもなかなか地獄。ポイント○倍デーのせいもあってすごく混んでいて、そのまま引き返したこともある。人の多いところには行けない体なんだなと、しみじみアップルパイを頬張った。

 

来た道とは逆の歩道はすっかり雪がとけていて、快適だった。確かに地獄みたいなことはあるけれど、少し気をつければ避けられる。るんるんで帰っていたのだが、思わぬところで転びそうになり、地獄なのは自分の運動神経のなさゆえなのだと思った次第。