1/30晴れ、苦手科目はお風呂

お風呂のことは嫌いじゃない。ただとてつもなく面倒くさい、それだけである。

 

入ってしまえばすっきりするし身体は温まるし、気持ちよかったなあと思うのだけれどそこに至るまでが地獄の道のり、それが入浴という行為である。どんなに寒くたってトイレには行くのに、その隣の浴室に行くハードルはめちゃくちゃに高い。そしてそれは私一人だけではなく、思ったより多くの人が抱えている問題のようなのだ。

なんでそんなにお風呂に入るのが嫌なのかなんて、改めて語るまでもないだろう。そして、なぜ嫌なのかわからない人には決してわからない。お風呂にすんなり入ることができる人は、たかがお風呂ごときで延々と時間を無駄にする私なんかと生物としての進化の程度が違う。遺伝子か脳の機能か、そのレベルで違うのだ、だから同じ悩みを共有できるわけがない。

 

進化の過程に取り残された、恐竜レベルの脳の大きさで現代を生きる私だが、最近、お風呂にすんなり入る方法を見つけた。毎日21時にお風呂に入ることを促すメッセージを、スマホに表示させるのである。つまり、リマインダー機能の活用、と書くと現代人っぽい。

iPadをうまく活用したいと思ってiPad活用法的な本やらYouTubeやらを漁っていたときに、紹介されていたアプリを使った方法である。アプリストアで、「習慣」とか「ハビットトラッカー」で検索すると、習慣化したいことを手助けしてくれるアプリが出てくる。その中で、通知機能がついているもの、つまり○時に通知するよう設定するとその時間に「××はしましたか?」とメッセージが出てくるものを探す。

だいたい、お風呂に入らず何をしているのかといえば、私の場合はスマホいじりだ。Googleマップで延々と飲食店を調べている。そんなときに、ぽっと「お風呂に入りましたか」のメッセージが表示されると流石に手を止める。「はい」を押さないとそのメッセージは消えないのだが、ここで虚偽報告をするのははばかられる程度の正直さは一応あるので、お風呂に入らない限りこの文言は消えない。まあ、入るか、と渋々動く。

 

準備をしたら、そのまますんなり浴室に行く。動き出せば体が勝手に動くもので、例えばタオルと着替えを持って廊下に行き、やっぱり面倒だなと立ちすくんだり部屋に戻るということはない。逆にいえば、その動き出す最初のきっかけを作るのが一番難しい。それを、スマホというかアプリというか、自分以外の無機物にやってもらっているわけだ。

私にはこの方法が合っていて、三日坊主で終わりそうなことをいくつか設定している。はい・いいえで答えるほかに数値を入力するモードや、特定の日だけ行動を設定できたりするので、「水を何杯飲みましたか」、「掃除しましたか(土曜日のみ)」といった使い方ができる。なんてことない項目(朝起きましたか)でもチェックをつければ達成感が持てるし、何日やったかの一覧を見ると自信にもなる。

年末くらいから使い始めたので、一ヵ月ほどこのアプリのお世話になっている。お風呂どうしようとダラダラして、もうこんな時間!と焦ることはなくなった。忙しくなったりすればまたどうかわからないが、今のところはうまく使えていると思う。

 

世の中、思ったより便利である。便利ついでに、もっとお風呂に入りやすくなるような何かを誰かどうにかしてください。