捨てて捨てて買って捨てて

たまに、捨てグセみたいなのが出てくる時期がある。今が、というか4月に引っ越してからずっとその状態である。

この間、本を捨てたのもその一つ。

 

と言って、私はミニマリストではないし、別になろうとも思っていない。引っ越しのために部屋を片付けている最中はミニマリストと呼ばれる(自称する)方々の、がらんとした部屋に強いあこがれを持ったりするが、その気持ちは長続きしない。引っ越して荷物をあけて片付けて、なくてよさそうなものも多いけれど、あそこまで物を捨てる気にはなれない。

じゃあなんで捨てるんですかと言われれば、自分でコントロールできる量を超えているからだと思う。どれくらい使うかとか、使っていて楽しいか(という某片付けコンサルタントみたいな言い回しは、本当はあまり好きではない)とか、そういう項目が「そうではない」に傾くと捨てたくなる。私にとってのコントロールとは、使用頻度と、その時のいわゆるときめき具合を指す。

 

たとえば服。使用頻度としては、かぶりを気にして週1から2程度使えればよい。二週間に1回とか、一ヵ月に1回着るかどうかという服は使い勝手が悪くて、持っている必要があるのかという気持ちになる。たまにはそういう服も必要だけれどね。それから、仕事をするためのテンションを少しでも上げるために、可能な限りお気に入りの服をそろえたい。着ていて、微妙だなとか似合っているかなとか、不安な気持ちが生まれる服はあまり着たくないだろう。

そういう、なくても特に困らないものをどんどん捨てたいのである。そうやって捨てたのが、もう読まないだろうなと判断した本。毛玉を取らずに放置した服(着るならお手入れをしろ)。ベッドの下に隠されたかご(何か入れる用に持っていたが、何も入れないなら必要ない)。砂糖と塩を入れる容器についてきた計量スプーン(スプーンなんていくらでもある)。ファンデーション(マスク生活でお化粧がめんどくさくなった。下地とコンシーラーで足りる)。

今捨てるかどうか迷っているのは、オーブントースター。置く場所がなくてクローゼットに入れているのだが、使わないのであれば捨てていいんじゃ……という気持ちになっている。あ、捨てると表記しているが、可能な限り資源として役立つような処分方法を選択しているので、一応。

そうそう、二つある猿田彦神社の一歩守もどうにかしたい。でもこれはお守りだし、おいそれと捨てられないから時期がくるまでは取っておこう。

 

こうやって無駄と判断したものをどんどん捨てているのなら、私の部屋はさぞかしきれいに整理整頓されているのだろう。

そんなことはない。

物を捨てると、大なり小なりスペースができる。で、人間は空いていると埋めたくなる性分を持っている、根拠はないけれど。とにかく、空いたところにあれを置こうこれを置こうと買ってしまうわけだ。最近、植物をちまちま増やしているのもそういうことだと思う。捨てて空いたところに、何かを詰める。

よくわからないけれど、昨日IKEAから荷物が届いて、中を見たらプランターだった。しかも二つ。楽天でハーブ苗を買った痕跡もあり、どうやら、家庭菜園を始める気のようだ。そのうちじょうろが欲しいとか騒ぐと思う。

ちなみに、本を捨てた今、新たに本を買いたい欲に襲われている。kindleで買った本を、紙の本で買い直したいらしい。気になったところにドッグイヤーしたいんだって。もう勝手にしてくれ。

 

で、こうやって買ってまた物がたまると捨てたくなるんだな。そりゃそうだよね、自分で買ったもの以外捨てようがないもんね。自分で買って捨ててまた買って、なんと便利な永久機関

今日もめちゃくちゃいい天気だ。散歩がてら街に出て、本とそれからじょうろと、少し物色してこようかしら。