あの日のアルバムを思い出して

幼稚園の時、卒業アルバムに書いた将来の夢はおかあさんだった。周りがケーキ屋とか花屋とか言っているのを見て(聞いて?)、かぶりたくないと思い誰も挙げていない将来の夢を必死に探した、気がする。三つ子の魂は百まで続くのだ。

 今のところおかあさんにはなっていないし今後もなれる気配はまっっったくない。悲しすぎる。両親は、お前にゃ無理だとすでに諦めている。ごめんよ……。

 

小学校6年生のときは漫画家に憧れる女子よろしくイラストレター(そう覚えていた)と言ってみたり、夢を語るのが恥ずかしくなって会社員になりたいと言ってみたり、かと思えばまたかぶりたくない精神で教科書に載るだなどと言ってみたり。「これになりたい!!」という強い思いは、当時の私にも、その後の私にもなかった。将来の夢、その質問をのらりくらりとかわしつつ、現在に至る。

今いるのは状況に流されながら辿り着いた場所ではあるが、それでも、それなりに「こうしたい」「ああしたい」という希望と願いを持ちながらここまで来た。最初からここに来ようと思ったわけではないけれど、自分で舵を切って、ここに着いたつもりだ。ただし、それは肩書というか、社会的な所属先の話。

中身は、あの頃なりたいと思った大人になれたのだろうか。

 

小学生からすれば中高生は大人だけれども、中高生になった自分は、思ったほど大人にはならなかった。行動範囲は広がり、自分で使えるお金が増え、勉強が難しくなったけれど、それは周りが変わった結果だ。昨日の自分と今日の自分に明確な差が見つけられないのと同様に、小学生の自分と高校生の自分、何が違うのかわからない。

自分の感情をコントロールできるようになった?より長いスパンで物事を考えられるようになった??夜を怖いと思わなくなったことは、確かに小学生の頃とは違う。成長の証かもしれない。だが、私が思っていた「大人になる」という成長は、もっと圧倒的に、何かが変わることだった。

だって、大人は子どもができないことができて、知らないことを知っている、そういう存在なんだから。私はまだできないことが多いし、わからないことも多いんだもの、まったくもって「大人」ではない。

 

そして大学生になり、社会人になった。県外に出て一人暮らしを始めても、まだまだ親の保護下にあり大学の先生に見守られる私は「子ども」だった。社会人になって自分でお金を稼ぐようになっても、職場では上司や先輩といった「大人」から指導され、かばってもらってばかりだった。

???私はいつ「大人」になるのだろうか。つまり、自覚の問題として何をもって私は自分を大人だと認めるのか、という問題。

 

ところで、話は戻って、「将来の夢」の将来っていつなんだろうか。今の時点からの未来が全部将来、でいいのだろうか。つまり、夢というものは死ぬまでに達成できればいい、ということ。

実は、とある夢がある。強く賢い、かつて憧れた「大人」にはいまだ遠いけれど、この夢を叶えられたならば大人になったということにしようかしら。どうかしら。

 

夢というのは、「話しかけたいときに話かけられる人間になること」。

わかりますよ、みなさんの何言ってんだこいつ感。私も、この後の展開をどうしようやべーって感じで書いています。私は思いついたことをべらべら書いてしまうタイプで構成も考えていないので、みなさんこのブログ読むの疲れませんか?すいません。

で、またメンタルの話で申し訳ない(引き出しが少ないなあ)。しんどかったときに、誰かに、話を聞いてもらって何か言ってもらえたら、もしかしたら追い詰められなかったんじゃないか、と今でも思うことがある。でも、忙しそうなのに遠慮して、聞いてほしいときに、聞いてほしい相手に話しかけることができなかった。それを今でも後悔……とは違うけれど、一つの分岐だったかなあと考えている。

そんなときに、街で占いの看板を見かけた。「聞いてもらいたいもやもやを話しませんか」、と書いてあるのを見て、なんだ、みんな話を聞いてもらいたいのか、と同じ悩みを持っている人が多いのかもしれないことに気がついたのだ。

わたしはまだまだ若輩者で、大した人生経験もないし画期的なひらめきもないし、悩んでいる人の力にはなれない。でも、もし仮に、私に話を聞いてほしいという人が現れたときに、遠慮せずに話かけることができるようなそんな人間でいたいと思う。力になれるかはまた別問題だけれど、その前の段階として。私にも、話しかけるかかけまいかでうじうじ悩んだ時期があったんだもの、そのもやもやが苦しいのはよくわかる。

 

それなりの振る舞いとか責任とか、そういったことが問われるくらいには年を取り、少なくとも、というか絶対に「子ども」ではない。いろいろな生き方があって、何をもって大人になった、なんて簡単には定義できないけれど、せめて自分自身で「大人になったなあ」と思えるようには成長したい。

 

今週のお題「卒業」