2/9晴れ、やりがいを求めて何が悪い

私は、目に見える結果が好きだ。

学校のテストや模試なんてその最たるもので、自分がどれくらいの位置にいて、何が得意で苦手かが分析されて返ってくる時が待ち遠しかった。

そういう意味では、健康診断の結果も好き。美術部だったけれど、絵を描く行為自体が好きなのではなく、自分の描いた絵を見て誰かが反応してくれる(大抵は褒めてくれる)のを見ることに興味があった。何かをして、プラスでもマイナスでも返ってくる反応が私のモチベーションだったのだ。

 

 

ダン・アリエリー: 仕事のやりがいとは何か? | TED Talk

 

 

 

今の仕事ではそれがない。反応が返ってくるほど、私自身に仕事のスキルがないことも理由であるし、あるいは、よおく目を凝らせばわかるのかもしれないけれど、そのくらいかすかな反応でモチベーションが上がるほど、私は燃費が良くない。

そういう、返答がほぼない中で、私が一方的に仕事をする状態が続くうちに、「このやり方で合っているのか」「私は役に立っているのか」等と自分の存在を疑い始めると、つらい。ボールを一人で投げ続けて返ってこない、というイメージ。

 

やりたいことがあって今の仕事に就いているので、仕事自体には悔いも文句もない。ただ、現実の問題として自分の特性に合わないことはやっぱりつらいし、私と同じような、仕事に対する一方通行的なつらさを感じている人がいるのなら、今回のエントリから何かを感じてもらえればと思う。

 

そうそう、冒頭に張り付けた動画は観ていただけただろうか。

動画の冒頭、プレゼンがダメになった本人の気持ちはよくわかる。仕事が嫌なわけではないし、むしろ取り組んでいる最中は楽しい。でも、この仕事はどこにつながっているのか、その先が見えないときに人は不安だったり不満だったりを感じる。

 

動画に戻って、労働するモチベーションは報酬だけじゃないよねという話。仕事の結果を誰かが確認してくれたり、自分がやったんだと思わせてくれたりするだけで、満足感とか愛着が格段にあがるそうだ。

特に2点目、動画内ではイケアの家具とかケーキミックスとか、折り紙の実験で説明されていたけれど、効率化がすべてではないという。働き方改革~で、不要なことは外そう、効率化しようと言われているけれど、多少は面倒くさいことを残しておいた方が、労働者がやりがいを感じやすいのではと思った。

エクセル入力だけで終わらせず最後は検算するのも、この仕事を「やった」と思わせるうえでは必要な仕掛けなのかもしれない。計算式がずれている等、間違いを確認する以外にも、そういう意義があるのだろう。

 

話がずれるけれど、「エクセルの検算」てすごくむずかしい問題な気がする。自動で計算してくれる機能を持っているのに、検算しないと安心できない。実際、何かの拍子で式がずれたり崩れたりすることも多いしね。自分が理解できない計算を、コンピュータにやらせてはだめだよってことなのかな。

 

仕事のやりがいなんて自分でどうにかしろよという意見もわかるけれど、自家発電より他人から供給された方が威力が大きいんだから、誰かなんかちょうだいとも思う。とりあえず、動画内で紹介されていた、「書類を受け取ったらその場で確認」は取り組むように意識している。情けは人の為ならず。

働き方改革は単純にいろいろ削り取るだけでなく、労働者が健やかに働けるように知恵を絞ってほしい。一斉にこう!!ではなく、いろんな人がいるんだもの、働くのが好きな人も嫌いな人もそれぞれの働き方を選べればいいよね。

そのためには労働側も、このやり方でいいのかなと考えなければいけないので、私たちも知恵をつけていきましょう。私のいる業界は考え方が古いのとみんな一斉にやるぞ!感が強いので、特に気をつけたい。みんな違ってみんないいゆとり世代だからさ、全員右向け右は苦手なのよ。頭のいい人たちがやっているんだからうまくやってよ、という丸投げ。

 

ところで、なんで働き方改革は日本語なんでしょうね、これだけ横文字が流行っているのに。レボリューション、かっこいいじゃん。