機動戦士ガンダムSEED FREEDOMを観てきた!

おもしろかった!18年?待ち続けてよかったし、待ち続けられるものなのだなあとも思いました。以下配慮なく、ふわふわした感想です。

 

・キラとラク

運命キラは達観していたのではなく、殻に閉じこもっていた状態だったことが発覚。再び時間が動き出しました(准将呼びも、時間が止まっていたせいかと思ったり。軍的にちゃんと理由があるのかな)。病気や怪我とかでもそういうところあるよね、少し落ち着いた時期の方がダメージがでかいみたいな。

種最終回からの続きであれば「なんで、どうして」で考えちゃうし、ほぼ一人でアークエンジェルも守っていたから「僕がなんとかしないと」に走るのもわかる。重圧を一緒に背負いたいと考えているラクスも、とにかく守る対象なので一人で前に立つキラ。綺麗なすれ違い。

ラクスは周りからイメージを押し付けられていますね。今作オルフェにも、あなたの求めるラクスは私じゃないです言ってましたし、前作でも対議長(ミーア)でそんなのあった気がする。平和の歌姫としておとなしくしているのかと思いきや、専用衣装用意して戦場のど真ん中にも出てきちゃうし。

いつもの「私はラクス・クラインです」感はなく、コンパス総裁という役割におさまっているのがらしくない。キラにも変な気を遣っちゃう。一人の人間として接してくれたからお互い惹かれあったはずなのに、バリアを張り合う二人。見ていて胃が痛いガンダムseed。本音さえ話せれば、ミレニアムがアプリリウスに帰ってきた時点で終わったであろう映画です。

 

そのまま運命アスランカガリのムーブですね。ただし、ファウンデーション乗り込みはプラント議長極秘会談と正反対でした。歓迎されていたしドレス着たし姫呼び否定しないし。何より、アスランが修正してくれたおかげでキラ本人が花嫁強奪できました。

そして運命と同じくラクスは広告塔でした。そこから、私の意思は違います放送の流れも同じ。ファウンデーション街中でミーアの映像が流れていたのは、ラクスとミーアの違いが彼らにはわからない程度の興味しかない、ということでしょうか。

そうやって種運命を繰り返し、以前は消極的な答えしか導けなかったけれど、今回はちゃんと自分たちで考えたぞ!という強いラストになったのかな。ディステニープランへの返しが愛!はすごく素敵。

特にもラクスはアコードとして世界を導ける能力がありますが、二人が望むのは「この人の笑顔」というのもやはり素敵。やたらでかい自宅も身の丈に合わないという設定だということで、無理していたんだろうなあ。望むものは小さく、しかしそれが世界につながっていく理論。ラストバトルがそれぞれの愛(絆)の形でしたが、二人の場合は承認制の武器なので、責任も二人で背負う的な?

フリーダムの横でポーズ決めてたラクスはまさにラクスでした、いつだって一番目立ってます。

ところで、アークエンジェル撃墜後の避難先オーブで、キラがまたあのベルト服着てたけどなんなの……がんじがらめってことなの……そしてラストに繋がるの……?

 

アスランカガリ

颯爽たる援軍として登場したアスラン。映画全体で生き生きしていて良かったですが、あのアスランはモテなさそうです。初回シュラ戦で汗だく&肩で息する姿が、個人的にはベストシーンでした。袖捲りと萌え袖(ではない)を両立するとかすげー衣装だぜ……。

キラに言葉で伝えろとかラクスはそんなやつじゃないとか、おまいうでしたけれど種運命でそれだけ成長したってことですね。

 

カガリの成長は、ファウンデーションを疑っていたところから始まり、地下MS秘匿、こっそりマスドライバーと、力をむやみに嫌わなくなったあたりから伺えます。そして突然始まる10分避難チャレンジ(よーいスタートの割に避難進んでいるなと思ったら事前に避難始まっていたようですね、この国では緊急避難念のため準備連絡があるのでしょう)。後輩ができ、現在から未来へと意識が向いている感じもします。

一方、「キラはそんなことしない!」と政治家としてはしっかり失言していますね。これはキラを止めてくださいラクスとの対比でしょうか。役職に縛られたラクスが、個人としてのキラを信じられなくなってしまった。秘書も驚いていたので、そんな判断するの的なリアクションだったのかなと。メンタル安定していたカガリが、キラを信じてあげていました。

カガリ種運命で、キラは今作で抱え込んでしまいます。それが力を貸してくれ(カガリアークエンジェルにオーブ軍が合流したあたりで、頭まで下げましたね)と素直に言えるようになったところが、運命でも今作でも、物語の転換点。自分一人じゃ潜入操作もMS整備できないし、暁乗れる立場でもないですが、お願いすればOKです。

カガリの強みは、相手側がいつも彼女に対しノーマークな部分にもあると思いますが。

逆に頼れないであろう筆頭がアスランです。しかし、メイリンとバディを組み、また終盤ではカガリにリモート遠隔操作をお願いするなど、サポートしてもらったり、挙句自分の命まで預けられるようになっていておお、と。しかし、抱え込まないアスランはモテない。

メイリンが特等席でアスラン見てる解釈は笑いました。特典小説で、アスランカガリメイリンの話をするのは微妙……と判断していて、すごいお前そんなこと考えられるようになったの!?と感動しました。カガリは気にしないし気にしていないけれど、そういう常識あるんだね。ところで「ピンピンしてるメイリン」て何……。

特典で言えば、カガリの「忘れてたけど、お前って使えるやつだな」発言、唐突な言葉だなと思いましたが、彼女はアスランのことを必要性や能力で見ていないということがわかります。それで喜んでアスランが「使えない」を連発したとなると、お前、嬉しいことは頭の中で永遠にリフレインするタイプだな。

破廉恥時のセリフが、もともと「帰ってきたら〜」なのも、帰ってくる前提かよとなり、そこまで考えているかはもちろんわかりませんがいちいち楽しいですね。

 

アスランカガリが目を向けているのはいつだって世界全体です。自分たちよりも世界を優先するので、いつも隣にいれるわけではありません。しかし、遠く離れるほどに近くに感じてるわけで。焦りの象徴だった指輪も、絆の証になってくれました。

この二人について、カガリアスランはどうなんだろうというのが正直なところです。もちろん好きなのは好きだと思うのですが、それ以上になすべきことが多すぎて、自分でもわかっていないというか。全部終わってアスランと向き合えた時が楽しみだなって話です。

 

・シンとルナマリア

今作のルナマリア、めちゃくちゃ可愛かったです。今回のシャワー担当でしたが、あの時口紅落ちてなかったように見えたので、この時代のリップすげーなと思いました。冗談です。

 

シンについて、印象的だったのはアークエンジェルが落ちた時にショックというか、「アークエンジェルが」とつぶやいた場面です。かつて、絶対に倒さねばならない敵だったフリーダムとアークエンジェル、それが今や彼の味方であり、きちんとシンが受け止めているというのが感慨深い。この発言時のトーンが「まさか」っていう感じで、信頼していたんだなあと伝わってきます。

ムウともいい関係を築いていそうですね。彼がイザークみたいに顔の傷を消さないのは、過去を消さないためかなって思います。それも含めて乗り越えたシンがすごいし、ムウのコミュ力もすごい。

前半は、キラに頼られないことに悩み、また彼に倣って不殺戦法という慣れないことをしていたせいで、パッとしなかったシン。ルナとも恋愛面でいまいち噛み合っていなかったらしいですし。さらに気になるのが、小説版でも言及されていましたが、評価を他人に委ねている点です。運命では、議長におだてられて、危うくオーブを撃つところでした。誰かに認められたい、というモチベーションの持ち方はいつまでも続きません(ってなんか、仕事で受ける研修みたいな話になってきました)。

後半では爆発的にはっちゃけていたので、この辺、彼がどのように決着をつけたのか小説を待ちたいと思います。ところで喧嘩ふっかけられて負けたけど気にせず山盛りご飯、わあディスティニー!分身!!と、一人だけ違うストーリーを走っていた感がありませんかね。

 

ルナが最後にアグネスを助けたのは自分たちがアスランにされたことの返しでしょうか。裏切ったのはアグネスでしたが、生きていたことを喜んだり、月面?で手を差し伸べたり。してもらって嬉しかったことを、自分も実行しているように見えます。また、冒頭でラクカガリが「ディスティニープランへ賛同する人を否定はできない」と話していたのが、生きているのかなと思ったり。

終戦の途中、アグネスが「私だって好きで(こんなことしているわけではない?と続くのかな)」と言葉に詰まっていたので、彼女の本心も気になります、が、今の時点では推測材料がありません。それはそうと、生き残ってしまったので次回作でルナを庇って……みたいな変なフラグが立ってしまった気がします。気がするだけです。

 

正直、この二人は運命からの参加なので、前の4人に比べれば本編内での描写が圧倒的に少ないわけで、掴みきれていない部分も多いです。ですがシリーズ見返して、もう一度考え直したいくらいには映画内の二人(特にルナ)は魅力的でした。

ちなみに、個人的に好きなのはアスランカガリなのですが、これは二番手ポジションだから好きになったんだろうなという程度にはみんな平等に好きです。あーーーそれぞれの絡みが見れる、スピンオフとか作って欲しい……、ターミナルアスランの仕事風景とか絶対楽しいじゃん。

 

 

その他、ざっくばらんに

・映画鑑賞会@あの世が一番盛り上がっている。クルーゼは元クルーゼ隊の成長にもキラの答えにも内心めちゃくちゃ喜んでいる。レイとニコルも隣でニコニコしながらポップコーン食べてる。トダカさんは泣いてる。そして途中から地獄の空気になる父親たち。

イングリッドは降ろせ!!!でも、オルフェに能力以外でいいところがあったから好きになっちゃたのかなあ、「私のことは月の影とでも思って」とかどんな本読んできたんだろう。

・てかイングリッド以外、みんなファンタジー世界の住人かよって思う。ラクス奪還後、アウライングリッドのことすごい顔で見てたけれど、お前は寝てただろ!それと、とにもかくにも報告連絡相談!!

・オルフェの外見、いろんな人に微妙に似てるのなんでだろ。それと、対の遺伝子とか双子とか運命とか、キララクアスランカガリオルフェは一直線上に並べられそう。

・双子、浦沢直樹『MONSTER』みたいなオチだったらめちゃくちゃ嫌だなあ。

ノイマン・エリカ・キサカを適当に出しておくとなんとかなる。

マリューコノエ艦長ペアは、能力以上に人柄に惹かれているクルーが多いっぽい?そういう意味ではアーサーはいい艦長になれる、のかも、しれない。

メイリンの、「待ってる方が辛い」発言は、オペレータとして姉(たち)を待っていたことなのか、現在のメイリンアスランなのか、アスランを自分に託したカガリのことなのか、「普通はそうなのでアスランさんはちょっとおかしいです」という嫌味なのか、いろいろ妄想ができますね。でもアスランさんはカガリさんのことを追いかけてるから辛くないのかな!

ラクスの髪飾り、横顔の時にカーブして表と裏の両方が見える描写に興奮した。

メイリンがすごいのか、メイリンに楽々(でもないけれど)攻め込まれるほど相手の警備がザルなのか。どちらもあり、かつ、それだけ慢心してたのでしょう。

・やはり最強はアスラン・ザラジャスティスだから負けたんだ、愛しているから必要なのです、強さは力じゃない生きる意志だ、と今回も使い勝手のよい名言が生まれました。あと、いまいち売れない商品はアスランが使うとすごく売れるので、工夫すれば転売対策として使える。

・監督がカガリを持ち上げていたけれど、戦時下の英雄は平和な世界には不要だったりするので、若干怖いなあと思ったり。早く後任にお願いして、みんなで世界中にお花畑を作りに行こうぜ!

・でも続編あっても両澤脚本じゃないのかあ。精神的ダメージ入るけどあの感じが醍醐味みたいなところもあるし。でも続編は見たい、スピンオフも見たい。

・ロマンティクスという単語が便利すぎる。しかしいい歌、もう誰かのために歌わなくていいから、好きな人のためだけに歌ってね……。

 

言いたいことだいたい言えたかな。

放送当時のインターネットは毎週大荒れで、作品に対するヘイトだけでなく、特定のキャラが好きだからという理由で別キャラクターを執拗に攻撃する場面も多く、前向きかつ冷静な感想を見つけるのが大変だった気がします。もちろん、感想なので何を思おうが自由ですが、自分の好きなものを守るために別のものを貶める態度は見ていて楽しくありません。今作公開後もあんな感じになるのかなとどきどきしていましたが、穏やかに意見の発信が行われていてほっとしています。

特にもテレビシリーズ続編は難解な部分が多く、当時は混乱しながら視聴していました。ですが、だからこそ調べたり考えたりしながら、自分なりに解釈するという楽しみ方にたどり着けたと思います。なんだかんだみんな見てるから、魅力があった作品なのでしょうね。

また、私たち視聴者の態度が、製作側に及ぼす影響というものを考えた作品でもありました。「いつまでも待ってる」「これだけ需要がある」ということを正しく、制作側というかスポンサー?に届ける必要があるんだな、と。今作での声優交代は、制作サイド内の揉め事なんて言われていますが、もしかしてネット上で変な盛り上がり方をしたことも一つの原因かなと思ったり。私たち外野が事実を知りうることはないでしょうから、これ以上は何も言えません。

とにかく、久しぶりにガンダムSEEDの世界に戻れて楽しいです!映画、まだ?2回しか見ていないんですけれど、小説下巻が出たらもう一度見に行くのは確定として、来週の舞台挨拶……どうしよっかな。

せっかくのお祭りなので存分に楽しもうと思います!