ちがうちがう、食べたかったカップラーメンはこれじゃないのに!!
近所のコンビニ、おなじみの店員さん。彼らを前に、私はワンタンメンを手に取った。
たまに、本当にたまに、体に悪いものを山ほど食べたくなる。脂っぽくてしょっぱい、ジャンキーなやつをおなかいっぱい。その日は、そういう日だった。
そうだな、夜マックのチキンナゲットがいいけれど、今はまだお昼の十二時過ぎだ。お得になっているから買うのであって、普通にLポテトとナゲット10個を買う気にはなれない。そもそも、おなかが減っているから今すぐに何か食べたい。
そういえばと、ネットのニュースで見たカップラーメンを思い出す。背油とニンニクが入った、太麺のこってりしたやつ。太麺はあまり得意ではないし背油にも興味はないので、普段だったらそんな商品には絶対手を出さない。でも、今は違う。なんだかそういう、自分にとって未知の味を体験してみたい。めんつゆみそトマト時々カレーのレパートリーが続く食生活に、刺激を与えたい。いつものコンビニへ向かった。
お目当ての、いわゆる二郎系カップラーメンはすぐに見つかった。げげ、ちょっと高い。そしてこの、いかにもな見た目。ちょっと、レジに持って行くのがためらわれる。店員さんに、あなたこんなの食べるの?って思われたらどうしよう、いや、どうもしないんだけどさ。手に取る、値段、デザイン、うーん、戻す。そうやって気づいたら、ななめ上にあったワンタンメンのお会計をしていた。
軟弱者!
自分の食べたいものを食べればいいのに、それがときに、なかなか難しい。一体、私は誰によく思われたいのか。でも、ワンタンメンはおいしかった。じゃあいいんじゃないですか。常に自分の「好き」を通す、それも大事なことだけれど、誰もがそんなに強いわけじゃないんだし、結果オーライで着地できれば万事OKでしょう。