唐突に夏休みが延長になってびっくりした話

※この記事は、以前書いたものを削除→修正→再投稿したものです

 

お盆明けから一ヵ月間の休職に入っている。

診断書による休職で、抑うつ状態によるものだ。 

夏休み第二部は終わらない。

 

 

定期的に心療内科に通って、もう2年になる。仕事でミスが続いたことで昔のことを思い出し、気分が落ち込んでいること、ミスが怖くてうまく業務に取り組めないことを話したら、じゃあ休んでみますか、わりとあっさりそう提案された。

私は、雑ではあるが食事を取れているし、デバイスで測っている睡眠記録はガタガタだが眠れてもいる。情緒も落ち着いている、突然泣いたりしない。ていうか、わりと元気な気がする。なのに、ああ、休職ですか。まじか。

「職場から離れたほうがストレスが軽減できるというのなら、そうしたほうがいいってだけの話です、今の状態では仕事するメリットがないので。」

 休職、という言葉にびっくりしたので、その日はとりあえず持ち帰ることにした。あんまり考え込まないでくださいねーと言われたが、いや、考えますよ。

 

さすがに黙っていられないと思い、心療内科に通っていることを親に初めて話した。心の中で何を思ったのかはわからないが、動揺したり、驚いたりしたような声には聞こえなかった。

最近多いんでしょそういうの、まあいいんじゃない。じゃああんた帰ってくるの、いつ来るの、え、週末は忙しいからだったら週明けにしてちょうだい、それまで図書館でも通っていれば。部屋にこもってちゃだめだからね、ご飯食べなさいよ。…うーん、何話していいかわからないけど、まあ適当に電話するわ。

話すまでは若干緊張したが、話してしまえばすっきりした。今まで、話そうか、話すまいか二択の間で揺れていた問題が、話すことで解決した。何かをしてしまった場合は、もはや「しない」状態には戻れないのだ。

 

翌日、再び受診して休職することを決めた。職場の人に迷惑かけるよなあとか、自分のキャリアにもデメリットだろうなあとか、いろいろ考えた。仕事が怖い、なんて病院で言うんじゃなかった、自分の話し方次第ではこんな状況にならずに済んだだろうに、なんて思ったりもした。だが、開き直って休むことにした。長い(かどうかわからない)人生、一ヵ月の休職も経験としてありだろう。

 

病院が終わった後、電話で職場に事情を話し、翌日診断書を持って行った。所属長と、その後上司と面談をし、簡単に引継ぎをして職場を後にした。管理職は通院のことを知っていたとはいえ、今まで普通に過ごしていたのだから晴天の霹靂であっただろう。私もこの展開に驚いていますよ。雨の中とぼとぼ帰って来たのだが、すごく悪いことをしたような、後ろめたい気持ちだった。

昔、小学生の頃に、親戚の法事に出かけて、学校を休んだ日を思い出した。二日目はいとこと遊園地に遊びに行ったのだが、平日の遊園地は人がまばらで遊びやすい反面、みんな学校や仕事に行っているんだなあと、悪いことをしている気持ちになった。そう、これは、ずる休みの感覚だ。

あの日、私はずる休みが申し訳なくてびくびくしていたのだが、今思えばもっと楽しめばよかったと思う。休みは休みだ、だったら有意義に休め。そうだ、何かをしてしまったならば、もはや「しない」状態には戻れないのだ。

 

どうせ休職することになったのだ。申し訳ない気持ちでずるずる過ごすよりは、すぱっと割り切って気分転換を試みるべきだ。読みたかった本を読んで、見たいドラマや映画を見て、行きたいところに行き、作りたいものを作って食べよう。気分の浮き沈みがあるので、実際、そんなに何でもできるものではないだろうが。

そんなこんなで、夏休みが再び始まった。

 

 

私も、最初は「仕事が苦しいのは私だけではない」と考えていた。大変なのはみんな一緒だ、私も我慢しなければ。

しかし、耐えられる負荷は一人ひとり違う。業務量はいくら多くても大丈夫、でも人間関係は苦手。私は自分に裁量がないのが嫌。僕はAの仕事は得意だけどBはストレスだなあ。耐えられる苦しさなのかそうではないのか。私にとって、かつての職場には耐えられない苦しさがあったのだと気づき、受け入れることができるようになったのは、最近のことである。そもそも、「みんな」って誰だ。

周りを見渡す前に、まずは自分のことを見るべきだ。どんなテストをしたって、どんな機械で測ったって、あなたの苦しみや悲しみは、あなたにしかわからないのだから。