闇にまぎれて模様替え

学生時代、なぜか22時を過ぎたような時間帯から部屋の模様替えをすることがよくあった。社会人になってからはないな、と思ったけれど、疲れてさっさと寝たいからかもしれない。

ふとそんなことを思ったので、特別に眠くもなかったある夜、試してみることにした。

 

どうせやるなら大胆にやりたい。

前々から、タブレットをいじったり本を読んだりするための場所である80×50cmのデスクを一回り大きいものにしたいと思っていた。しかし、そうなるとスペース的に今の場所には置けない。どうしようかと思って、それならいっそ部屋の真ん中にダイニングテーブルを置いてみるか、と考える。

現状、デスクに座ると壁と対面する。つまり壁に沿って置かれているわけだ。そして、空いている部屋の真ん中には、カーペットの上にローテーブルが配置されている。それを取り払って、デスクではなくダイニングテーブルにする。作業も食事も何もかも、そのテーブルで済ませるようにしようかしら。

一時期実家にいたこともあったが、学生時代から今までの一人暮らし期間中、基本は床に座る生活様式を取っていた。食事をしたり作業したりということは全てローテーブルでやっていて、デスクを買ったのはここ2、3年の話である。それでも、デスクの椅子より床に座っている時間の方がやや多かった気がする。

なぜ、と言われれば特に理由はなく、なんとなく今までの流れでそういう生活を送っていた。じゃあ変えてみるか、ととりあえず今あるデスクを移動させ、部屋の真ん中に置いてみる。それで一週間くらい生活してみて、特に不便もなかったので大きいダイニングテーブルを、と言っても二人用くらいのサイズを注文した。

 

座右の銘は「大は小を兼ねる」、ということでせっかくなら140cm幅のがよかったけれど、そのサイズで求めているデザインのテーブルがなかったので、120×75cmの商品を購入した。待ち遠しくて、配送状況を何度も問い合わせてしまう。ストレス発散で買い物をしている時と違うのは、購入した瞬間ではなく商品を使う瞬間に嬉しさのピークが来ることではないだろうか。

配達の時間指定を夜にしていたため、夜中とまではいかないけれど暗い時間に組み立てを行う。左に回してくださいと言われたとき、結局それは時計回りなのかその反対なのか、延々と悩みつつ無事に組み立てることができた。どうでもいいけれど、私は幼稚園の折り紙の時間に、山折と谷折の違いが理解できず癇癪を起こして脱走したことがある。

木材とそこに塗られたラッカーか何かの匂いが、部屋に充満する。空気を入れ替えようと窓を開け、しかし、あまりに寒過ぎてそそくさと閉めた。

 

テーブルが来たことは嬉しいけれど、今夜は眺める以上にすることもないのでさっさと寝ることにする。目をつむればいつもと違う香りがして、それがなんだか楽しかった。

買い物ハイになっちゃってお花も飾ってみた、ただしここは台所