5/15晴れ(強風)、みそ汁に愛を

少し前に、角皿を購入した。インターネットで。

一辺が12cmくらいで、まるい角っこは少しへこんでいる小さい柄の入ったお皿。商品の紹介写真では漬物や煮物をのせていたが、個人的にはどうしてもあれに使いたい、という明確なビジョンがあった。これは絶対に、目玉焼きをのせるお皿だ。素の目玉焼きではなく、ウインナーとかベーコンとかハムとか、きちんと肉を使った目玉焼きを。

 

先日、その夢をやっとの思いで叶えることができた。ご飯、目玉焼き、おみそ汁、納豆。朝ごはんみたいな献立だけれど、これが今日の晩ご飯。それぞれ、こだわりがあるようなないような。

ご飯は土鍋で炊いている、が、これは美味しさを狙ったものではなくたんにしまうのが楽だから。3合炊きとはいえ、炊飯器という家電は何かのヘルメットを連想させる程度には大きい。我が家の台所事情として「炊飯器をぴったり収められるスペース」がなく、すかすかのテトリスの如く片付けていたのが地味にストレスだった。で、導入したのが土鍋炊き。

タイマーをセットして、時間通りに火加減を調整すれば無事に炊き上がるので、何も難しいことはない。片付けは、使う土鍋によるだろうが、特に不便は感じていないし、何より、ぴったりとはまる場所を見つけられてほくほくである。物がちょうどよい位置に収まっていることにこんなに喜びを感じるとは、我ながら意外な性癖を見つけてしまった。

 

おみそ汁は、今回はじゃがいもと玉ねぎ、それにふのりを入れたものを作った。ここにえのきを入れてもよい。じゃがいもと玉ねぎの組み合わせも完成された美味しさがあるが、ふのりが入ったおみそ汁を飲むと、あれはまだ途中だったことがよくわかる。ああ、こんなに違うなんて、ふのり万歳!!

……正直、味に大きな変があるわけではないし、なぜ自分がここまでふのりにこだわっているかはわからない。地味な見た目に彩りを添えてくれる、じゃがいもとも玉ねぎとも違う食感を与えてくれる、確かにそれもある。できあがったみそ汁に、ふのりをさらりと入れるその一手間を尊く思う、なるほど。ただ一つ言えることは、じゃがいもと玉ねぎのみそ汁と、そこにふのりが入ったみそ汁とでは(個人的に)天と地ほどの差がある、ということ。

 お湯で戻さず、直接投入することも多いんだけどね

 

そしてメインの目玉焼き。今回はウインナーを使った目玉焼きにした。ウインナーは焼く前にきちんとボイルしておく。その方がおいしいと聞いたからそうしているし、確かに、噛んだ時にぶちんと破裂するような食感が楽しめる。

黄身は半熟くらいにしておいて火を止めて、その中心が破けないようゆっくりと角皿にのせる。そこへ、醤油をぴぴぴと回しかければ完成。半熟の黄身はウインナーに絡めてもいいし、ご飯にのせて頬張ってもいい。そういうふうに食べるから、できれば流動性を保った、しなやかな黄身でいてほしい。

一方で、できれば白身は固めがよい。外側はよく焼いて、中は火を通さずに。我ながらわがままである。子どもの頃、目玉焼きがあまり好きではなかったのは、きっと黄身が固くなっていたからだなあと、今になって気づいた。

 

そうやって食事ができあがって、ついでに納豆も添えてやる。大した料理はしていないが、それでも、しみじみとおいしい。それも、この角皿のおかげか。お皿で食事が美味しくなるなんて、まるで大人になったみたい。