2/14晴れ、一生のお付き合い

道を歩いていると、高校生くらいの男子二人の会話が聞こえてきた。

「明日は運命の日!お前もらった?」「冷蔵庫に1個入ってる」「えー、俺は無理くさい」「俺があげるから大丈夫」

お店に入ると、幼稚園はまだくらいの姉弟が何か話している。

「バレンタインってなにー?」「しらなーい」

 

昨夜、地震があった。

昼間に買ったブルーベリーマフィンを夜食に食べつつスマホをいじっていた時で、もう少し起きていようかさっさと寝ようかと考えあぐねていたら、緊急地震速報が鳴った。毎回どきりとするけれど、いつかの夜中の地震では速報が出なくて、その時は「速報出てないじゃん!」と思ったから、案外頼りにしているというか、生活の中に浸透しているんだなあとのんびり考えた。

何はともあれ、まずはテレビをつける。強い揺れに備えてくださいの言葉とともに福島の地名が出たので、じゃあここはそこまで強くないのかな、とこれまたゆったりしていたら、いよいよ地面が揺れ始める。だんだんと体がこわばるのがよくわかった。いわゆる横揺れで、円を描くようにぐわんぐわんと揺れが大きくなっていく。こんなのは遊園地だけで勘弁してほしい。

 

311のとき、たしか私は品川区大井町あたりを電車で通っているところだった。友人と鎌倉旅行に行った帰りである。車内では揺れが全くわからず、緊急停止した電車の外でぶらぶらしている電線を見て、地震らしいということに気づいた。情報を集めるとどうやらそれは東北で起こったらしい。津波の映像が飛び込んでくる。でもみんな避難したんでしょ、大したことなんじゃないの。開放された公民館で見た仙台沖で死者200人というニュースも誤報じゃないか、と思っていた。

あれから10年。その間に何度、緊急地震速報を聞いただろうか。地震以外にも毎年のようにどこかで異常な大雨が起こっているし、そういえば火山の噴火もあった。ここ1年は、誰も予想していなかったような感染症の流行が発生している。ある程度予想できる部分もあるかもしれないが、天災はいつだって突然やってくる。

転倒防止用の器具を設置したり、緊急時に必要なものを準備していたり、はやめに避難所に行ったり、そういうことはできるけれど、でも、だからといって「絶対安全」になることはない。被害が抑えられる、生き残る可能性が上がるのは確かだと思うし、できることはやっておくべきだ。でも、自然はその準備を上回るエネルギーを秘めていて、それを吐き出すのがいつなのかは私たちにはまだわからない。地球の気まぐれで生かされている、そんな気がする。

 

明治の「ポルテ」というお菓子が大好きだった。が、数年前に生産終了になっていて、明治の気まぐれがない限り、もう二度とポルテに会うことはできない。私たちの生活にあるものは、生産終了になったりリニューアルになったりで、突然お別れすることがある。それと比べるのは変だけれど、地震というやつはそんなことにはならない。だからこそ、油断することなく、諦めることもなく、うまい付き合い方をしていきたい。

 

平安伸銅工業 家具転倒防止突っ張り棒 ホワイト取付高さ27~35cm REQ-27

転倒防止用突っ張り棒、こういうやつね。導入していない方は是非ご検討を