9/5くもり、星の数ほどのチャンスを星の数ほどとりこぼし

土曜日の午前中は、自分を許す時間と決めている。

出しっ放しのバッグ、干されたままの洗濯物、溜まった洗い物。荒れ果てた部屋の中、ただ一つ保たれたベッドの上でごろごろする自分を絶対に責めない。私にとって、土曜日の午前中はそういう時間。

 

そんな土曜日にせっせとブログを書いているのは、なんとなく書きたいことが思い浮かんだからである。メモに書き留めておくと、そこで満足してしまって書きたい欲がなくなってしまうから思いついたらすぐに書くのがいい。それが、私に合っている。

 

昨日のことである。金曜日の夕方、週40時間の労働から解放された喜びの中でとある雑談が始まった。監査が近くなってきたこともあり、仕事でミスしない方法はあるのか、みたいな方向で話は進んでいた。

我が職場内でミスと呼ばれるものは、どのような内容であっても最終的には「適切な時期に処理をしなかった」ことに集約される。なので、問題が生じて、その必要があれば然るべき部署に「処理が遅れた理由」を文書にして提出しなければならない。ペナルティ……ではないけれど、でもそういう性格のものである。最近になってその提出が必要な場合が増えてきた、というところから話は始まる。

あ、仕事のミスをなくすためにどうすればいいのか、なんて難しい話はしないです。いつものことながら、前置きが長いだけです。

 

ミスをしたらペナルティ、という方法で間違いを防ごうとしているのはわかる。書類を一枚出さなければならない、という負担を避けるために適切な期間内に処理をしよう、みたいな。ただ、ルールで縛ることが本当にミスをなくす最善の方法なのか、というのが雑談の趣旨であった。

行動経済学の視点だとどうなんだろ~」、先輩が放った言葉に、ピンときた。

『予想通りに不合理』!ダン・アリエリー!!TEDも見たぞ!!!

はいはいはい!私、その話ついていけます!!……とやる気を出したはいいものの、内容を思い出せない。実験にチョコチップクッキーを使っていて、やたらお腹が減ったのは覚えているな。人を変えるには燃料を増やして抵抗を減らす、これはTEDの内容だと思ったけれど、はて、どうやって話をつなげればいいのだろう。そうそう、提出された紙をちらっと見るだけでも相手にいい印象を与える、みたいな実験結果があったような。でもどんな実験だっけ。

行動経済学の本を読まれるんですか、ととりあえず聞いてみる。簡単なのはね、あとテレビでちらっと見たよ、なんでダイエットを続けられないのか、みたいなやつ~。レゴの実験とかですかね、組み立てて目の前で壊したり。そうそう~!

 

…………

 

週に2400分働くうちの、ほんの数分のことである。大したことではない。今までだって、何度も「私が注目されるタイミング」を逃してきたじゃないか、何をいまさら。

けれど、塵積である。もしかしたら、本当にもしかしたらだけれど、そのうちの一つがなにかおもしろそうな未来につながっていくこともあったかもしれないし、今後、あるかもしれない。そう思うと、なんだか残念なことをしたような気がするのである。

いつでも気を抜かず、チャンスはすべてつかみ取ってみせる!なんて決意を新たにするつもりはないけれど、あーあ、いざって時にさっとすっと軽やかに立ち回れるようになりたいなあと思う。この感想を抱くのも慣れたもので、いくつものタイミングを逃した後にはだいたいこんなことを考えている。毎回忘れてしまって、次に生かせないだけで。

今回はこうやって書き残してみた。どうだろう、ブログに書いたことって忘れないのだろうか、でも何を書いたかいまいち覚えていないんだよな。頭の中に残しておくとどこかに埋もれてしまうけれど、こうやって頭の外に出しても、それですっきりしてやっぱり忘れてしまう気がする。

私はそういう性分なんだろうな、だったら仕方ないのか。