気づくとスマホに手が伸びている。何をするでもなく、動画やSNSを眺めるだけ……。
そんな暇があるなら映画でも見ようぜ!!確認しておきますが、暇なんですよね?苦情は受け付けません。
出会いとは偶然なのか、あるいは必然なのだろうか。
いや、どちらでも構わない。出会ってしまったことに変わりはないのだから。偶然とか必然とか、それは出会いを肯定(あるいは否定)したいための、後からつけた理由に過ぎないのではないか。
今回のことを振り返ってみれば、あまり行かないところにたまたま足を踏み入れてしまっただけだけれど、もともと興味はあったから、いつかは出会ったのかもしれない。そういう出会いだった。
ビッグフット対ゾンビ
いわゆる、UMAのことは嫌いじゃない。むしろ、テレビでやっていれば積極的に見てしまう。B級映画だって、ネタにできればどんとこい。だから、アマゾンでたまたま「ゾンビ」を検索して、このタイトルが出てきたときは少し心が躍った。なんだ、まだタイトルしか見ていないのにわかるこの胡散臭さとチープさは。
70分程度……まあ1時間ちょいならいいか、というほんの好奇心で見始めた。
忙しいなら無理にとは言わないけれど、暇でスマホをいじっているくらいなら、見てみてほしい。唯一無二、驚きの連続である。そして、できれば何も知らないままで一度見てほしい。情報がありふれたこの世界で、何も知らないで見る(聞く、触る……)ことが、いかに貴重だろうか。
では、映画の感想を述べる。
先ほども述べた通り、溢れ出る安っぽい雰囲気はその通りである。予算いくらぐらいで作っているんだろう、と素人ながら心配になるレベル。
舞台はとある研究施設。有害廃棄物により死体がゾンビ化し、人間を襲う。施設に閉じ込められた人間たち、そこにビッグフットもやってきて――。
襲い来るゾンビたちと戦う、やや小柄なビッグフットは一部の体毛がはげている。そういう設定なのか、いろいろあってそうなってしまったのかは私にはわからない。ゾンビはのろのろ系なのだが、よく考えたら、この遅さなら早歩きで逃げられるのでは。肌色が見えているのはご愛嬌。
モテモテのヒロイン、たぶん主人公っぽい人、ゾンビになっていく仲間たちが織り成す人間模様は、特に特筆すべきこともない。恐怖演出で、じわりじわりと近づきすぎるゾンビに全く気づかない一行は、周囲への注意力がかなり低いのだろう。台詞がかなり単純な英文なので、リスニングするにはもってこいかも。
そうそう、これはかなりのネタばれになってしまうのだが、途中、ゾンビが内臓を食べるシーンがどう見ても赤い布で表現されている。マジシャンが布をシャーっと出すみたいに、シャーっと赤い布を出していた。アメリカ製なので、規制の問題があるのだろうか。
感動した私は、同監督のほかの作品も見てしまった。キャスト(スタッフも?)はだいたい同じなので、親近感が湧いてくること間違いなし。
ジュラシックビースト
恐竜が人間を襲う。恐竜は人形?をコマ撮りしている。半分寝ながら見ていたのでよく覚えていないが、襲われた人間はたくさん血が出ていた。規制は関係ないようだ。
フランケンジョーズ
いろいろあってフランケンシュタインの脳みそと心臓を移植されたサメが暴れる話。人間がパックマンみたいに食べられていく。パクッて食べられるんだよ。後半、雷に打たれたサメには手足が生えていた気がする。サメはCGなのか人形なのかよくわからないけれど、全編合成です。
他の3作品とヒロインが違う。
猿の帝国 女囚戦記
どれもこれもどこかで見たことがあるようなタイトルだったが、これもそう。ついでに星戦争要素も入っている。脱獄した女囚人が、類人猿のいる惑星に逃げ込む話。猿じゃないよ、類人猿だよ。ビーム銃の演出が古典的で好き。これはほんのちょっと頭を使う構成となっていた。
ラスト、次回作に続くようなので微妙に期待。
スマホをいじってあーもうこんな時間だと思うのならば、部屋の掃除をしたり本を読んだりストレッチしたり、自分のやりたいことを一つでも消化したい。ダラダラしたくてダラダラしている人はいいんだけれど、やりたいことがあるのにダラダラしている人は、私だけではないはずだ。
いや、ダラダラしているけれど、こんなチープな映画を見る時間はないな、と思った方。生意気なことを言ってはいけない。チープだろうが胡散臭かろうが「B……Z級?」だろうが、これらの作品は映画として成立しているのだ。それを鼻で笑うことが、やりたいこともせずにダラダラしているあなたにできるのだろうか。
暇しているなら『ビッグフット対ゾンビ』を見てほしい。それが嫌なら、今すぐやりたいこと・やるべきことをやりましょう。